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新型糖尿病治療薬は新型コロナウイルスのターゲット


SARSウイルス感染症って覚えておいででしょうか?

重症急性呼吸器症候群 (Severe Acute Respiratory Syndrome, SARS) を引き起こすウイルスの感染症で、香港を基点として世界中を一気に駆け巡った致死的な呼吸器感染症です。

ちょうど10年前ですね、2003年の3月に台湾や香港で流行が話題となり、新型感染症として注目されました。

これは香港から飛行機で世界中に広がり、感染地域への渡航注意勧告が出ていたのを思い出した人も多いのではないでしょうか?

Coronaviruses_004_lores.jpg

あのSARSウイルス感染症の原因ウイルスはコロナウイルスと呼ばれる種類のものです。

それの全く新しい遺伝子型だというので、免疫を誰も持っていないとして大騒ぎになりました。


もともと、そのウイルスを持っていたのはハクビシンではないかと考えられています。

イタチや貂の仲間で、顔の真ん中に白い線が走り、くりくりっとした目が可愛い生き物です。

香港や中国では食用にされてきました。


そのウイルスが突然変異によって新しい能力を獲得して人間の気道上皮に感染し、激烈な症状を引き起こしたと考えられています。

致死率はWHOの推計では致死率は14-15%に達するとみられている恐ろしい病気です。


実は、その恐ろしいウイルスに類似した、しかし全く新しいコロナウイルスによる呼吸器感染症が昨年から中近東で散発しています。

こちらは致死率50%に到達する病気で、幸いなところに感染力は弱いようなのですが、かかったら死を覚悟する必要のある疾患です。


こちらは新型コロナウイルス感染症と呼ばれていたのですが、先週、その新型コロナウイルスが人間の気道上皮細胞に取り付く仕組みがあきらかになったと報告されました。

その取り付く相手は、気道上皮の細胞の一部の表面に発現しているDPP-4という分子です。

Nature Corona-virus capture.png

「DPP-4?あれ?ややこしいなあ、インクレチンを分解する酵素と同じ名前じゃん。」


最初にNatureのニュースを見た時にはそう思いました。

糖尿病の新しい治療薬がターゲットにしている酵素とは別の分子だと。

ところが、綴りを見ると全く同じでした。


DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)

インクレチンであるGIPやGLP-1の分解酵素と同じものです。


「え?どういうこと?DPP-4って消化管やすい臓で働くものじゃないの、そういえば、どこで発現してる分子なんだ?気道上皮での役割ってなんだ??」


そう思ってDPP-4についてあらためて調べてみました。

すると、実はDPP-4は単にインクレチンだけを分解する酵素ではなかったのですね。

もっとたくさんの分子を分解して、その生物学的な機能を就職する重要な酵素だったのです。


まず、DPP-4の発現をBioGPSのページで見ると(英語のWikipediaからリンクが貼ってあります)、

DPP-4の発現は平滑筋で非常に高く、次に高いのがTリンパ球、樹状細胞と呼ばれる抗原提示細胞、そしてそれらだけでなく、ほぼ全身の臓器でくまなく発現していることがわかりました。

DPP4 expression human.png


次に、それが何をしているのかをWikipediaで確認しました(PubMedより楽なんだもん(^_^;))。

DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4、EC3.4.14.5)とは腸管ホルモンであるインクレチンの不活化を行う酵素(セリンプロテアーゼ)であり、細胞膜上をはじめ可溶性タンパク質として血液中にも存在している。インクレチンは食後の血糖値上昇に伴い腸上皮細胞から分泌され、中でもK細胞から分泌されるGIPとL細胞から分泌されるGLP-1が注目されている。これらは膵臓β細胞表面の受容体に結合してインスリン分泌促進及びグルカゴンの分泌抑制により血糖値降下作用を示す。DPP-4はT細胞などの免疫系細胞表面にもCD26として発現して分化マーカーとされている。アデノシンデアミナーゼ(ADA)と結合して細胞内情報伝達を調節する働きも有しているため、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADABP)とも呼ばれる。

あれあれ、ADAってのは免疫活動に重要な分子で、それが欠損すると先天性の免疫不全になります。

その信号伝達に関わる分子なんですか・・・。


さらに、DPP-4が分解する分子群を見て驚きました。

アミノ基側末端から2番目にプロリンあるいはアラニン残基を有するペプチドからジペプチドを切り出す働きがある。DPP-4は以下のようなペプチドを基質とする。

?    グルカゴンスーパーファミリー
o    GLP-1
o    GLP-2
o    GIP
o    血管作用性小腸ペプチド(VIP)
o    成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)
o    ニューロペプチドY(NPY)
o    ペプチドYY(PYY)
o    PACAP27
o    PACAP38

?    ケモカイン
o    MIG(CXCL3)
o    インターフェロン誘導タンパク質-10(IP-10,CXCL10)
o    単球走化性因子(MCP)
o    LD78β(CCL3L1)
o    RANTES(CCL5)
o    マクロファージ由来ケモカイン(MDC,CCL22)
o    エオタキシン(CCL11)
o    Groβ(CXCL2)
o    GCP-2(CXCL6)

?    その他
o    サブスタンスP
o    IGF-1
o    ガストリン放出ペプチド(GRP)
など。


おいおいおいおい、ちょっと待てよ、かなり多岐にわたる分子の活性調整役(分解して作用を止める役目)じゃないですか。

たとえばエオタキシン(CCL11)というのは好酸球という白血球の一種をアレルギー炎症の場に呼び寄せる分子なのですが、それの分解に関わるのがDPP-4です。

それが分解されるとつまり、アレルギー性の炎症は増悪する可能性があります。

(実際、DPP-4阻害薬の副作用として皮膚に発赤が起きやすいというのがあり、そのせいでFDAの認可が一年遅れたという話です。)

ケモカインは免疫系の機能調節に重要な分子群で、それは適切な量、適切な時間作用する必要があるのですが、分解役のDPP4の機能を抑えることで、それらが長く強く効きすぎてしまう可能性があります。


また、NPY、VIPやGHRHなどの神経系の分泌因子の分解も請け負っているのですね。

こちらも神経伝達の調節に関わる部分ですね、分解されない分、それらの分泌因子による神経伝達調節が長く強く入り続ける可能性があります。

(実際、DPP-4阻害薬の副作用で頻度の高いものに頭痛があります)


そして、個人的に一番気になるのが、免疫系の問題です。

ケモカインも絡んでくるかもしれませんが、ADAの信号伝達も絡んでくるかもしれない免疫系の機能不全。


実は、DPP-4阻害薬の副作用として複数の機関から報告されたものに、

「感染症にかかりやすくなる」

というものがあります。

免疫系の機能不全、軽い抑制が慢性的に続いていると思われるのです。

Amori RE, Lau J and Pittas AG.(2007)"Efficacy and safety of incretin therapy in type 2 diabetes: systematic review and meta-analysis."JAMA 298,194-206. PMID 17622601


あれだけたくさんの免疫系に関わる分子の調節役をDPP-4がやっていると考えれば納得ですよね。

さらに怖い副作用に、肺がんや消化器のガンの転移する能力を高めるという実験結果も提示されています。

Regul Pept. 2006 Dec 10;137(3):147-55. Epub 2006 Aug 14.
DPPIV inhibitors extend GLP-2 mediated tumour promoting effects on intestinal cancer cells.
Masur K, Schwartz F, Entschladen F, Niggemann B, Zaenker KS.



・・・と、いうことで、DPP-4の多彩な機能から考えて、DPP-4阻害剤を長期連用することは、ちょっと不安です。

長期連用が、糖尿病患者の体に実際にどんな影響を及ぼすかまだわからないわけです。


新型コロナウイルスが結合する気道上皮に発現しているDPP-4、あれがあそこで何をしているのかはまだわかりませんが、特定の細胞に発言しているということは、その細胞の機能に関わる生理学的な役割を果たしているはずです。

これはDPP-4阻害剤開発時点ではわからなかった発見です、もしもFDAの認可前にこの新型コロナウイルスが出現して、Natureの報告が出ていたら、DPP-4阻害剤の承認は随分先延ばしになった可能性があります。

ひょっとしたらこの薬の服用者が感染しやすい理由は、T細胞などが発現しているDPP-4の機能を阻害することで免疫抑制されるからではなくて、気道上皮のDPP-4の機能を抑えてしまうから呼吸器感染症にかかりやすくなっているのかもしれません。



それほどに、新しい薬であるDPP-4阻害薬は体全体に様々な影響を与え続ける可能性のある薬なのですよ。

膵臓庇護を考えればSU剤なんかよりもはるかに体に優しい薬だと私は考えていたのですが、体の他の組織への影響はまだまだ未知数です。

数年間飲み続けた時の長期的な安全性はまだわからないのです。。。




ということで、ほんとに、糖尿病専門医の重鎮の皆さんが

「糖質制限は長期的安全性がわからない」

と言っているあの切り口、そのままDPP-4阻害薬に当てはまる考え方なんです。


外来で患者さんにDPP-4阻害剤を処方している糖尿病専門医の重鎮の先生方は、果たしてそういうことを患者さんに説明した上で処方されているのでしょうか?

糖質制限の安全性に関してあれだけ厳しく仰る方々ですから、きちんと説明された上での処方だと思いたいです。


それを考えると、DPP-4阻害剤は、自分が糖尿病であったとして、SU剤よりははるかにましだけれども、長く飲みたい薬ではなくなりますね。

病気の症状が落ち着いてきたら、食事療法と運動療法だけで、内服からとっととオサラバしたいと思います。

その意味でも糖質制限食はお勧めなんだけどなあ。

自分自身がやってみて効果の劇的なことは体感していますし、家族や友人にもどんどん勧めていて、実践している人たちはみなさん、劇的な良い効果を得ています。



なお、論文内容に関しての追加です。

DPP-4阻害薬の内服が、コロナウイルス感染症の罹りやすさに関係するかどうかは以下のごとく述べられていました。

DPP4 is a multifunctional 766-amino-acid-long type-II transmembrane glycoprotein presented in a dimeric form on the cell surface.
It preferentially cleaves dipeptides from hormones and chemokines after a proline amino acid residue, thereby regulating their bioactivity.
Yet the use of peptidases by coronaviruses may be more related to their abundant presence on epithelial and endothelial tissues?the primary tissues of coronavirus infection rather than to their proteolytic activity, which in the case of APN and ACE2 appeared not to be critical for infection.

Consistently, hCoV-EMC infection could not be blocked by the DPP4 inhibitors sitagliptin, vildagliptin, saxagliptin or P32/98 (Supplementary Fig. 9).

DPP-4阻害剤を飲もうが飲むまいが新型コロナウイルスへの感染しやすさは特に変わらないだろう、ということになります。

DPP-4阻害剤内服者(6ヶ月連用)においてウイルスを特定しない上気道感染の頻度は1.3倍から1.6倍になるようですけど、少なくともコロナウイルスがつきやすいかどうかということとは関係しないということです。



最後にさらに、薬屋さんのために、ひとつだけ。

DPP-4阻害剤は良い薬です。

今のところ、2年以内ぐらいの連用では、頭痛と感染しやすくなるということを除いて重篤な副作用は報告されていないようなので、そのぐらいの期間であれば気にしないで使っていいのではないかと思っています。

糖質制限できない人で食後高血糖を何とかしなくちゃ、という人がいたら、優先的に使う薬として考えていいのではないでしょうか。

副作用のリスクよりも有用性のベネフィットの方が上回っていると思います。




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DPP-4阻害剤を内服している読者の方に聞いてみたいです。

今回私が書いたようなこと、病院で糖尿病専門医の方に、処方前に説明してもらえたかどうか。
 
どうでしたか? (・∀・)

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2013年3月20日 23:23

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コメント(16)

ドク・カルピンチョ先生
いつも楽しく拝見させていただいております、仙台在住のリハ医です。
DPP4の貴重な情報、ありがとうございます。さっそく同僚にも教えます。
先日の糖尿病学会の提言、めちゃくちゃでしたね。私は糖尿病ではないですが、人体実験と称してスーパー糖質制限を行っています。もちろん安全と承知しております。
「糖尿病学会が賞賛するわけないよな、しかし患者さんたちがかわいそうだな~」と思う反面、いいこともあるかな、と。
最近とみに有名になった糖質制限ですから、ろくに勉強もせずに、オイグルコンやらインスリンやらを使用したままで糖質制限に手を出して重篤な低血糖になる患者さんがそのうち出るのでは、と懸念しておりましたので。
そうなったらマスコミは被害者づらして「やっぱりお米は大切、極端な炭水化物制限は危険なのだ」とあおるでしょう。
せっかくこのところ低糖質食品が徐々に手に入りやすくなってきていたのに、そうなったらメーカーも次々手を引いてしまうでしょうし。
なにしろ、やる気さえあれば何の準備も要らず、すぐさまはじめられる効果抜群の治療法ですから。
はじめる前に一歩立ち止まって考える、自己責任という言葉を思い出させるには、結果的に良かったのかな、と。
私はこれからも糖質制限続けますよ。

インクレチン関連薬の副作用情報を改訂 医薬品・医療機器等安全性情報   (p7以降です)

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は27日、「医薬品・医療機器等安全性情報 No. 291」を公開した。

http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_anzen/file/PMDSI291.pdf#page=7

本当に、短期的にもどうかと思われる薬が認可されるんですね。
 アトキンスダイエットは、100万人以上が試してみて、
死亡例0 ですけどね。

 カルピンチョ先生。
元気に復活されたようで、うれしいです。

今回もためになる記事ですね。
面白いです。

NYP,PYYは食欲に関係しますよね……。
阻害剤を飲んでさらに、食欲が増したらどうするの?って思っちゃいました。

インターフェロンやマクロファージなんて、もろに免疫ですよね。

サブスタンスPは吐き気に関係してるし、
DPP-4の範囲が広すぎて、薬の怖い方の効果に震えそうです。

もっとも、私は糖尿病ではないので薬剤に怯える必要がないのですが。

糖質を摂らないようにするだけで、子ども時代からの片頭痛が消えた私からみたら、阻害剤はとんでもなく怖い薬です。

糖尿病だったら、食事内容で済ませられる方を選びます、私は!

薬を使用する患者への説明の対応とか、『薬害』に対してのお医者さんの責任って、曖昧な印象があります。
カルピンチョ先生の記事でますます感じ入りました。

[2013年3月15日]
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1303/1303041.html

◇インクレチン薬の膵炎・前がん病変リスクの評価開始,米FDA―未公表の報告受けて
 米食品医薬品局(FDA)は昨日(3月14日),インクレチン関連薬の膵炎および膵前がん病変リスクの評価を開始したことを明らかにした。少数の2型糖尿病患者を対象とした剖検の報告(未公表)からリスク上昇を示唆する結果が得られたためと説明している。ただし,現時点でリスクが増加するのか否かの結論は出ておらず,医療関係者は添付文書の内容にしたがって同薬を使用するよう呼びかけている

*研究グループに検体・詳細データの提出求め,独自検証

 今回の評価開始の根拠となったのは,あるグループが行った未公表の研究。このグループはインクレチン関連薬を使用していた少数例の2型糖尿病患者の剖検を実施した。その結果,これらの患者の検体で膵炎あるいは膵臓細胞の炎症ならびに膵前がん病変(pancreatic duct metaplasia)のリスク上昇が確認されたという

 FDAは研究グループに,試験の詳細ならびに剖検例から採取された膵細胞の提出を求め,独自の検証を行う意向を明らかにしている。ただし,現時点でインクレチン関連薬の安全性に関する新たな情報はなく,医療関係者は添付文書の内容にしたがって薬剤を使用するよう呼びかけている

*エキセナチド,シタグリプチンの膵がんリスクは「結論出ていない」

 また,既に添付文書などで,急性膵炎リスクに関する警告が行われているエキセナチドおよびシタグリプチンについても言及。現時点で,両薬剤と膵がんリスクの関連について結論は出ていないとの見解を示している。最近,両薬剤については,米国の2型糖尿病患者の入院データベースに基づく解析から,急性膵炎による入院リスク上昇の関連が新たに報告(JAMA Intern Med 2013年2月25日オンライン版,関連記事)。今回の文書でも紹介されている

*米学会「膵炎リスクは喫煙,飲酒,肥満の方が大きい」

 この報告を受けて,米国糖尿病学会(ADA)と米国臨床内分泌学会(AACE)は「後ろ向き研究であり,ランダム化比較試験(RCT)のような強固な結果ではない。同報告で示されている急性膵炎による入院の超過リスクはおよそ3年間で100人当たり2人程度にすぎない。喫煙や飲酒,肥満のある糖尿病患者のリスクの方が大きい」との合同声明を発表している。また,GLP-1受容体作動薬に関して現在9件,全6万5,000例以上のRCTが進行中であり,安全性については今後評価が可能になるだろうと述べている

 FDAもインクレチン関連薬の安全性について引き続き調査を続けていくとしており,今年6月に開かれる米国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)と米国立がん研究所(NCI)の合同ワークショップで新たな情報を明らかにする意向を示している

ハーイ、カルピンチョ先生(´・_・`)/
お医者さまが、誰にでもわかるように、説明できることの難しさ、時間の無さ、は想像できます。

誤解されないように、専門すぎる用語を使わず、患者の理解力を考慮して説明することを考えたら、頭が痛くなってきました。


糖尿病学会も、糖質制限のネガティブキャンペーンよりも、しなきゃいけないこと、たくさんあるじゃないですかー!

DPP-4阻害剤、インクレチン(膵炎、ガンって!)
よく効く薬って………((((;゚Д゚)))))))

 江部Drのblogにも昨年書き込みましたが、日本人を対象とした臨床研究として価値がありますので再度とりあげます

*DPP-4阻害剤とクレアチニン

J Clin Med Res. 4(5): 309-313, 2012 Oct
Published online 2012 September 12

Pleiotropic Effects of Sitagliptin in the Treatment of Type 2 Diabetes Mellitus Patients

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3449427/

(本文)
Although the changes in serum creatinine (Cr) and uric acid (UA) after sitagliptin administration were within the normal range, they rose significantly from 0.75 ± 0.22 mg/dL at baseline to 0.78 ± 0.24 mg/dL at 12 weeks and 5.07 ± 1.21 mg/dL at baseline to 5.40 ± 1.45 mg/dL at 12 weeks, respectively.

 神奈川県で、シタグリプチン(ジャヌピア/グラクティブ)25mgまたは50mgの服用を開始した940名の日本人で調査した。血糖コントロールがよくなければ、100mgにまで増量した。投与開始12週たって、血液検査値に正常範囲ながら有意変化が生じていた

血清クレアチニン
  0.75 ± 0.22 mg/dL ⇒ 0.78 ± 0.24 mg/dL

血清尿酸
  5.07 ± 1.21 mg/dL ⇒ 5.40 ± 1.45 mg/dL

MTPro 2013.3.37 にも載りました

欧州でもインクレチン関連薬と膵炎・前がん病変の関連を調査
欧州医薬品庁
 欧州医薬品庁(EMA)は3月26日,GLP-1受容体拮抗薬あるいはDPP-4阻害薬を使用する2型糖尿病患者で見られた膵炎および膵臓の前がん病変のリスク上昇について調査を開始すると発表した。今月,米食品医薬品局(FDA)が同様の調査を開始している

父も祖母も重篤な糖尿病患者で、遺伝子継承の血筋です。
特に祖母は商才に秀でたある意味では女傑(宋美齢に準えられ)。
晩年、女子医大で治療していただいておりました。

父は朝4時に起床すると10㌔を徒歩で剣道の稽古、家に戻ると再度電車にてその旧制中学に通学、大学では主将を務めたスポーツマンでしたが糖尿に悩まされ、バイパス手術、心筋梗塞で他界。
私は数年来、健診、前4食をとらない空腹時で、血糖160mg程でしたが何の治療もせず、甘いものの制限も一切しないで過ごしておりました。
現在65歳になりますが、最大時の体重は87㌔、運動はなにもせず、年と共に75㌔に、(年1の健診時に合わせ精いっぱいの減量をして68㌔、にて受診を重ねての結果が)
昨年9月、75㌔オーバーによりウオーキングを始めました。
3か月ほど変化無しで、コースで出会う方も瘦身者はあまり見受けられませんでしたが、複合方式に切り替え継続していると効果が顕れてきました。
12月に入り睡眠障害を低減する為近くの診療所に薬をいただきに行ったところ、地域の糖尿に関する権威と評価されているお医者さんでありました。
図らずも血液検査になり、看護師、医師より長時間にわたり指導を受けることなってしまいました。
ケトン+++が最大理由でしたが、当方としてはケトンの検出は望む事項であったのですが、脂質に関し2月の健診に対し大幅悪化もあり生兵法、大けがのもと、の喩ととらえ指導に従う事にして帰宅致しました。
然し考えてみると4カ月の努力により、30数年にわたり溜め込んだ脂肪が分解を始め、血液中にも溶けこんでいるのでは、との疑問がおこり、本年2月の健診を受けた結果で方策を決める事といたしました。
受診してみると体重59㌔、脂質大幅改善、前1回の食事抜きで血糖91mgとこれらの項目全てで、成果が顕れておりました。
低糖質での糖尿病対策については侃諤な議論が喧しく、患者は振り回されて大変です。
さて先の健診結果を持って診療所で受診した際、医師に相談したところ全く私の話を聞いて理解しようという姿勢は有りませんでした。
その方法では死にますよ、とか、何で今更、低糖質なの?私は大学で何年も専門に学んできた、あなたの数カ月の知識で何を言うの?でした。
私は低糖質は守れないし、個人の体質もあるので両方のよい処を、各々に向くところを選択して取り入れ治療に生かせばよいと思うのです。
私の場合では、グルコーススパイクスを起こすでしょうが、なるべく低インスリンで過ごせるようにし、そのためにグルット4
アディポネクチンの分泌を促しAMpkにも作用してもらい、イノシトール三リン酸、六リン酸のために、雑穀や玄米をとる等
インスリンを温存して、糖分の消費を図ることができればよいと思うのです。
こんなことは可能なのでしょうか?グルット4をインスリンによらず運動により作用状態にした時、糖が余っていないことが度々あったとすると、イソップの狼少年のようなことになりはしないのか?(これも診療所では、思考すらされず、糖がない等ということはあり得ない)と一蹴されたのですが。
此方のサイトを先程少しだけ閲覧させていただきましたが、それでも新薬についての項に、私が低インスリンで生活出来たら
、の考えで、インクレチン(GIP、GLPー1)の阻害物質DPPー1Vを失効させるものが他の臓器により分泌される等により利用できればと、一助に取りたてていたのですが、大変悪影響が起こるようで驚きました。
此れから色々な項目よよまさせていただきます。

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したがって、読まれた方の立場次第では、その記事では自分の存在を無視されているように感じる、配慮が足りないと感じられる記載内容があり得ます。
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